国内の森林は、戦後に植栽されたスギやヒノキなどの人工林が大きく育ち、木材として利用可能な森林が増える中、近年は木材自給率も上昇を続け、平成29年には過去30年間で最高の36.1%となるなど、国内の森林を循環的に利用していく新たな時代に入りました。
富山県でも、人工林は、建築用材に適した40年生以上の林分が面積、蓄積ともに約8割を占め、成熟期を迎えています。また、蓄積量は、毎年44万m3ずつ増加しており、「伐って、使って、植えて、育てる」といった森林資源の循環利用を確立させながら、豊かな森を守り育てるとともに、林業・木材産業の成長産業化の実現を目指す必要があります。
よって、県では平成28年9月に「富山県県産材利用促進条例」を制定、平成29年10月には、この条例に基づく「県産材の利用促進に関する基本計画」が策定され、2021年の県産材の年間利用量13万m3を目標に、需要の拡大と安定供給体制の整備を促進することで、林業及び木材産業の持続的かつ健全な発展と、快適で豊かな県民生活の実現を図ることになりました。
こうした中、現状で木材があまり使われていない店舗や事務所、倉庫などの民間建築物における木造化、木質化を進めることが喫緊の課題となっており、設計者や事業者からは、県産材を活用した木造での整備についての経験や知識を広める必要が出てきました。
そこで、木造化の利点や、県産材を利用する際に必要となる品質や調達方法を、①「とやま県産材を知る」、②「とやま県産材で建てる」、③「とやま県産材を調達する」、といった観点から、県産材を利用する際に必要となる品質や調達方法をわかりやすく解説した、とやま県産材活用の手引き「とやま生まれを、とやまで活かす。」を作成することとなり、その編集委員として、弊社の水野 雅徳が参加し、下記の手引書が完成しましたので、是非、ご覧いただき、県産材の活用を推進していただければと思います。
こちらの冊子の出版を記念し、木造公共建築講座(県産材活用編)の「非住宅木造建築物への県産材活用・林野庁補助事業説明会において、先の水野が講義させていただきました。
ご相談、もお気軽にどうぞ。お待ち申し上げます。